退職届・退職願の正しい書き方とテンプレート
退職届と退職願。この2つの書類は見た目は似ていますが、法律的に大きな違いがあります。15年の監督官経験から、「本当に必要な書き方」をお伝えします。
退職願と退職届の違い
この違いを知らずに書く人がほとんどです。
退職願 = 会社にお願いする書類。撤回可能。 退職届 = 会社に通告する書類。撤回は困難。
実務的には、退職届を出すべきケースがほとんどです。なぜなら「辞めます」と明確に伝える必要があるから。退職願は「できれば辞めたいのですが…」という弱さが出てしまい、会社に引き留められる可能性があります。
正式な退職届の書き方
用紙は「白い普通用紙」「黒いボールペン」です。パソコン印字でも手書きでも構いません。ただし署名は手書きします。
構成は以下の通り。
退職届
辞職願いに関する届け
私は、以下の通り退職いたします。
退職日 令和8年2月29日
所属部門: 営業部 営業課
氏名: 山田太郎
上記の通り届け出ます。
令和8年1月15日
署名欄(手書き)
重要なポイント:
- 日付:退職を決めた日(提出日)を書きます
- 退職日:「令和X年X月X日」と具体的に。「14日後」ではなく実日付
- 所属・氏名:正式な部門名と漢字での実名
- 署名:必ず手書き(認印はなくても可、ただし会社の指定に従う)
「一身上の都合」は書く?書かない?
実は、退職理由を詳しく書く必要はありません。むしろ書かない方が安全です。
理由を書くと、会社が「その理由なら解決できる。思い直してみないか」と引き留めてくる可能性があります。「一身上の都合」の一言で十分です。
退職理由:一身上の都合により
この一文で完結です。
重要な提出方法
書き終わったら、以下の方法で提出してください。
- 直接手渡し:直属の上司に手渡し、受け取ってもらう
- 内容証明郵便:会社が受け取りを拒否する可能性がある場合、郵便局から内容証明で送付
- メール:就業規則でメール提出が認められている場合のみ(受信確認をもらう)
口頭だけで「辞めます」と言い張っても、後々「言った、言わない」のトラブルが生じます。必ず書面を残してください。
よくある質問への答え
Q:会社が退職届を受け取ってくれない場合は? A:内容証明郵便で送付します。配達証明を取っておけば、法的に「提出した」という証拠になります。
Q:退職届を出した後、思い直した場合は? A:撤回は困難ですが、交渉次第では可能な場合もあります。ただし会社側が承認する必要があります。だからこそ、提出前にしっかり考えることが大事です。
Q:退職届は何枚書きますか? A:通常は1枚です。複数枚に書く必要はありません。
退職届は、あなたの退職を法律的に成立させる重要な書類です。形式を正しく、感情に左右されずに作成することが、後々のトラブル防止につながります。迷ったときは、この記事に書かれた形式に従ってください。
田中 誠一
退職専門アドバイザー / 元労働基準監督官
労働基準監督署に15年勤務後、退職支援の専門家として独立。年間500件超の退職相談に対応。「正しい知識で、誰もが安心して辞められる社会を」をモットーに情報発信中。